投稿から

メッセージの投稿フォームから、次のメッセージがあった。メールアドレスが無かったので返信できないので、この場で意見を述べたい。勝手に載せることをお許しください。

私には農薬は悪者にしか思えません。
親戚の農家には薬剤散布で、倒れ込んだ人が何人もいます。
成果物は当然で土壌や河川海への蓄積も相当な量になっている筈です。
風に乗って遠地にも拡散しますし。
最近の癌等の疾患の増加の遠因になっているとしか思えません。
複数の化学物質同士の複雑な影響は十分研究されていないと思います。

おそらく、かなりの人がこのように考えているだろう。この意見はおおよその人の代表的な考えに近いと思う。
一つずつ反論したい。
農薬散布中の事故の問題
残念ながら農薬散布中の中毒事故は年間何件かある。これは否定できない。急性毒性の高いものもあるので使う時には注意が必要だ。
たとえば、ナイフ、包丁などの刃物を考えてみよう。荒っぽいところではチェーンソーでもよい。年間何件かは事故があるはずだ。だから刃物は悪者で、禁止しようとはならない。なぜなら役に立っているから。事故の防止対策をしながら使うことになる。車もそうだね。使い方のルールを決めている。
農薬も同じこと。なぜ農薬を使うかというと、役に立つから。農薬無しでは今の人口は養えない。天候によっては病害虫が大発生して、作物生産が不安定になって、今のような豊かな生活は出来なくなる。生きていく上で最も大切な食料生産に関わっているので、農薬はかなり役立っているといえる。
とはいえ、事故は防止しなければならない。ラベルに書かれている使い方(ルール)を守り、マスク、合羽、防護メガネ等の着用が必要である。最近の農薬は急性毒性の低いものが多く、メーカーも努力を続けている。
蓄積の問題
30年以上の農薬(農薬取締法の前々回の改正前)、たとえば有機塩素系の農薬(ディルドリンとか)は確かに蓄積するものがあった。しかし、それ以後の農薬は蓄積するものは使えなくなった(農薬登録を取得できない)ので、今流通している農薬については、作物、土、河川、海への蓄積はなく、分解していく。農薬登録には、残留性の試験が必要だし、分解経路、分解産物も明らかにしなければならない。
風に乗って拡散の問題
あるけど、分解はする。
スピードスプレーヤなんかでボワァーっと散布してると、かなり飛んできて迷惑。けど、これは使い方の問題。特に、住宅が近くにある農地では、圧を落とすとか、水滴が大きくなるノズル(遠くに飛びにくい)に替えてほしい。
だから農薬は悪者とは言ってほしくない。刃物の使い方と同じこと。
癌の問題
発癌性のあるものは農薬にはならない。これも登録に試験が必要。
そもそも、老化すると癌の発生率は高くなる。すなわち、平均寿命が延びれば癌の発生率は増える。なぜ平均寿命が延びたのだろうか?栄養状態がよくなったこと、医学が発達したことが関係しているだろう。ということは農薬もその原因?やはり、農薬は癌の原因なんだ。
複数の化学物質同士の影響
これは調べるのが無理。化学物質っていうけど、人工、天然問わずいくつの化学物質があるだろうか?なんだって化学物質でできているからね。健康ブームでよく飲まれているお茶は、茶の葉に含まれる化学物質を抽出したものだよ。生物体が人工と天然の化学物質を区別して感じることは無理。なぜならそれぞれに特有の構造は無いから。人工、天然問わずそれぞれの物質にいろんな反応があるはず。その化学反応で生きているといえる。それらお互いの影響を調べるようとしたら、その組み合わせはいくつになるだろうか?
作物に残留している(実際に口に入れる)農薬は、他に口にする物質に比べれば極極低濃度。しかも、その影響は試験によって調べられている。これを心配するなら、他のことを心配した方がよい。
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