昼間、クマゼミがうるさい。
といっても、今年は鳴き出すのが少し遅かった。
セミが鳴かないと夏らしくない。
しかし、ひっきりなしに、ずぅ~っと鳴けるのってすごいな。
残された命をこれに賭けとるって感じやな。
セミ(成虫)の体の構造って、腹の部分は♂の場合は殆ど空洞で、音が響くようになっている。音は筋肉を震わせて出していて、腹の長さや形を変化させて音程を変えている。
まさに、「楽器」という感じで、鳴くための体というわけだ。
昼間はクマゼミがひっきりなしに鳴いているけど、早朝とか夕方になるとヒグラシが鳴き出す。情緒のある鳴き声だ。
クマゼミが鳴いている時間にヒグラシが鳴いても聞こえないだろう。
鳴く時間を分けて、うまく住み分けているんだろうなぁ。
もし、全ての蝉が同じ時間に鳴くならば、音が大きくて、他のセミが割り込めないようにひっきりなしに鳴くように進化するはずだ。クマゼミとかアブラゼミのようなうるさい系がそうだろう。
でも、鳴く時間を変えて、特徴ある鳴き方をすれば、うるさい系とは競合しない。それがヒグラシ路線だ。
そうやって、分化することで、種が別れ、生き物が豊かになるわけだ。
競合する生態系内では個体数が頭打ちになるけど、住み分ければ、トータルでは個体数をそれ以上に増やせるというわけ。
会社とか、経済活動も同じわけで、クマゼミなどと競合しないようなヒグラシ路線でいけば、別な活路が見いだせるはずだ。
セミの鳴き声を聞いて、そう思った。