先日、すだちにプロシミドンが残留していたことが徳島新聞第1面トップニュースとなった。
かんきつ類での残留基準値は0.5ppmだが、最高で2.8ppm検出された。
まあ、このプロシミドンが多く残留したすだちばっかり食べることはあり得ないので、許容1日摂取量(ADI)を超えることは無いだろう。また、普通は果汁を絞るので、実際にプロシミドンを摂取する量はかなり少ないだろう。
したがって、特に健康を心配することはないのだが、使用基準通りに使ったのに、なぜ残留規準値を超えたのかが問題だ。これは非常に不思議だ。
実際に使ったのはスミレックス水和剤(プロシミドン50%)。かんきつ類には1500~3000倍に希釈して散布する。使用時期は開花期。灰色かび病の防除に効果がある。灰色かび病は花やめしべなどの柔らかい組織に感染し、実へ病斑を拡大させる。したがって、防除効果の面からも使用時期は開花期が適切であり、収穫直前に散布しても意味がない。すだちは小さいので、スミレックス水和剤を散布した開花期から収穫までの時間が短かったのではないかとも思えるが、露地の場合、開花が5月、収穫が8月なので、3ヶ月はかかる。ハウス栽培でも収穫に必要な期間は変わらないだろう。
2.8ppmというのはどういうことか考えてみると、30gの果実に1500倍希釈液が0.252g付着してそのまま残留するという計算になる。そんなに付着するだろうか?プロシミドンは残留しやすいが、ちょっと検索したところでは2.8ppmなんて数値は出てこない。なにか間違っているのではないだろうか?
今後の対策のためにも、きちんと原因を究明して欲しい。