話は全て通っており、前の病院での検査デーを入れたCDを渡し、それを見ながら説明を聞いた。
まず、かなり大きな腫瘍であること。珍しい事例らしい。腫瘍が上の方に成長することが多いらしいが、下の方に成長したので、大きくなるまで気づかなかったようだ。かなり長い年月をかけて大きくなったようだ。確かに、かなり昔から左目に違和感があり、少なくとも3年ほど前には左目が少し見えにくくて眼科を受診している。老眼が進む年齢なので、そんな影響かなと思っていた。
そして、下垂体腫瘍としては、いくつかの種類があり、最も多いのは下垂体腺腫とのこと。他にも何種類かあるが、最も可能性が低いものとして、癌がある。癌だけを悪性といい、他は良性である。99.何%は良性とのこと。実際に取って組織検査しなければわからない。
下垂体は、様々なホルモンを分泌する器官だが、自分の場合は、ホルモン量に異常はなく、おそらく、非機能性の細胞が腫瘍化したのだろうとのこと。手術で摘出した後、足りないホルモンは薬を飲んで補充することになる。
腫瘍がかなり大きく、頸動脈に迫っている。手術で傷つけると、命取りとなる。ただ、その確率はかなり低いとのこと。
手術は、鼻から内視鏡を入れて、MRIの画像の位置情報をモニタで確認しながら、切り取って吸い出す。良性の場合、残ってても問題ないので、視神経への圧が下がる程度に取り除けば良いとのこと。再度大きくなることは、ほとんどないらしい。ホルモン分泌に関わる部分や頸動脈と接近している部分を深追いしない程度に行う。
術後は、脳内の髄液が漏れる可能性がある。漏れる場合には、腹や太腿の肉を切り取って詰めるらしい。