経緯
何年も前からだと思うが、左目が疲れやすく、視力が低下してきた。
特に左目の左側がかすんできたので、もしかして白内障かと思い、眼科を受診した。その結果、網膜に水ぶくれが少し見られるので、これが原因だろうということで、薬を飲んで治療した。
薬により、網膜の水ぶくれは解消されたが、視力は回復しなかった。視力の回復に時間がかかる可能性もあるため、しばらく薬を飲んでいたが、視力が一向に回復しないため、大学病院で検査した結果、下垂体腫瘍が判明した。
下垂体腫瘍とは
下垂体は、脳の下部にぶら下がった形で、各種ホルモン(副腎皮質刺激ホルモン(コルチコトロピン、ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(サイロトロピン、TSH)、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)、成長ホルモン(GH)、プロラクチン、抗利尿ホルモン(バソプレシン)、オキシトシンなど)を分泌している。

下垂体の上に視神経が通っており、下垂体が腫瘍化すると、視交叉部分を圧迫し、特に視神経の内側部分を圧迫する。

視神経の内側部分ということは、眼球のレンズで反転するので、外側の像が見えにくくなる。つまり、両耳側半盲となる。
手術方法
全身麻酔を行い、鼻の穴から内視鏡を入れて、腫瘍部を摘出する。

全身麻酔を初めて経験。手術台まで、点滴をしたまま自分で歩いていき、手術台に仰向けに乗った。酸素マスクを当てられ、「今から眠くなりますよ」と言われ、「いや、眠くならないけど…」と思ったまでは記憶があるが、夢か現実かわからない光景が映った時には手術は終了していた。尿意を覚え、尿路のチューブにしてもよいということなのだが、出し方が分からない状況。勝手に排出されると分かるまで困惑した。ちなみに、尿路のチューブは、全身麻酔後に装着される。