ウクライナ情勢に乗じて、憲法改正とか、防衛費の増額とか、反撃能力とかが論じられているけれども、その前に国のあり方を議論すべき。
国を守る方法は、なにも軍事力だけではない。一番大切なのは、外交だ。周りの国と諍いを起こさないこと。つまり、戦争の火種を作らないことだ。
ウクライナとロシアの戦争だって、ロシアが突然に攻め込んだわけではなく、その前から国境付近に兵力を集中させ、攻め込むぞ、という体勢になっていた。その時点で、あるいはそうなる前に、ゼレンスキーさんがプーチンさんに、「これ、どういうこと?なにが気に食わないの?」と聞いて、交渉により、解決を図る、ということが出来たはず。大統領ならば、戦争を回避するために、あらゆることなければならなかったはず。急にロシアが攻め込んできたのだ、悪いのはロシアだ、と言っている。もちろんロシアは悪い。他国を侵略し、一般市民を殺戮するのはもってのほか。けど、ゼレンスキーは戦争を回避する努力を十分にしたのか?そして、戦争になったら、一般市民に「銃をとれ!」と言ってしまった。一般市民が銃を持てば、一般市民が兵であるとみなされ、一般市民と兵の区別が出来ずに、攻撃の対象になってしまう。一般市民の命を危険にさらしてしまう。
こんなことになる前に、まずは外交がなによりも大切。
もし、軍事力だけで国を守るならば、圧倒的に強力な軍事力が必要。この国に絶対に勝てないと思わせるだけの軍事力が必要。今、議論しているのは、軍事力でどう国を守るのかということで、あらゆることを想定すれば、今説明したように、仮想敵国よりも圧倒的に強い軍事力が必要ということになってしまう。この路線は、間違ってはいない。選択肢としてあり得る。
だけど、中途半端に軍事力を強めれば、周辺国を刺激することになる。緊張感が強くなり、戦争のリスクが高まる。やるなら、圧倒的に強くならなければならない。
この説明で気づくと思うが、軍事力を強めれば緊張が高まり、軍事力を弱めれば緊張が低くなる。ということは、相手を刺激しないように軍事力を弱くすることも、選択肢としてあり得る。アイスランドは、軍事力を放棄するという選択をした。
中途半端は最もマズい。
これまでの説明で「軍事力」と書いたけど、専守防衛ならば「防衛力」と読み替えてほしい。やられる前にやるという敵基地攻撃能力(反撃能力)が議論されているので、「防衛力」と「軍事力」が曖昧になっているので「軍事力」と書いた。
その軍事力をどこに配置するのかも重要。国境付近に置けば、緊張をより高めることになる。つまり、沖縄に基地を置いているのは、緊張を高めているので、マズいのではないか?
日本は地理的に、中国、ロシア、北朝鮮に近いわけで、これらの国を刺激しないようにするべきなのではないか?もし、圧倒的に強い軍事力を持つという選択肢を取らないのであれば。
アメリカとの関係も見直すべき。いざという時に、アメリカが守ってくれるという保証はあるのか?ウクライナのように、アメリカが直接戦わずに、日本に戦わせる可能性もある(というか、その可能性が高い)。アメリカが後ろ盾にいるというのは、かえって緊張を高めているのではないだろうか?
自分としては、アメリカ軍は日本から退いてもらい、それによる緊張の緩和に応じて自衛隊を徐々に縮小するという路線をとるべきと思う。
緊張が弱まれば、周辺国との対話もしやすくなり、戦争のリスクを下げられる。
まずはこういった根本の方向性について議論してほしい。